高度経済成長時代が始まった1955年、私の母松本初實が「これからの日本にとって最も重要なのは幼児教育である」という心情のもと、西宮市高松町に阪急幼稚園を設立しました。現代社会を強く、そしてやさしく生きぬくための力を養える子どもを目指して活動して参りました。現在、学校法人阪急学園として3つの幼稚園、そして社会福祉法人發榮福祉会として1つの保育園を運営しています。
時代の流れとともに、子どもたちを取り巻く環境も大きく変わりつつあります。少子高齢化、少年犯罪や幼児虐待の増加、地球の環境破壊、そして“こころ”の喪失など、きわめて不安定な状況にあると言えます。特に青少年の残虐な犯罪が世間を驚かす度に最も大切な家庭、家族のあり方にも目を向け、幼児期からの心の教育のあり方について、幼児教育を担う法人として大きな課題として受け止めています。
20世紀は「戦争と経済」の100年だったといえるでしょう。しかし、その歪みが世紀をまたいで、いろんな形で社会問題として現れてきています。これからの21世紀は、真に「心の時代」となることを私たちは願っています。次の時代を担うのが今の子どもたちです。私たち学園は、幼稚園・保育園運営を通して、子どもたちに、そして親に社会に「いのち」の大切さを伝えたいと思います。そして、健全な「こころ」と「感性」そして「創造力」を育て、日本人として、人間としてのアイデンティティー(誇り)を身につけた子どもたちを創出することで、貢献していきたいと思っています。 |